ディジュリドゥの音再生
サウンドが再生されない場合、
QuickTimeをダウンロードして下さい。
素敵な楽器をありがとうございます。
「ディジュリドゥ」とはオーストラリアの先住民アボリジニが儀式などで演奏する木管楽器です。一説には1万年以上も前から存在していたといわれるこの不思議な楽器、感じずにはいられません。
オーストラリアアボリジニの民族楽器として知られるディジュリドゥですが、
アボリジニにとっては、単なる楽器ではなく神聖な道具として欠かせない物のひとつです。
今では私にとっても欠かせないアイテムのひとつです。
『ライトスタッフ』という映画の印象的なシーンで一瞬登場したのを観たのが最初の出会いでした。
何故かとても興味を曳かれたのを覚えています。
当時はインターネットもなくこんなマイナーな楽器を調べる術もなく数年が経ったある日、
ディジュリドゥ奏者が出演しているテレビ番組を偶然(必然?)観て、それがなんなのかを知りました。
それからさらに数年後オーストラリアへ旅行する機会があり、やっと実物と出会います。
音が鳴ると震動が体中を駆け巡り心地良く思わず自分へのお土産に買ってしまいました。
始めは不思議な音の面白い楽器だったのですが、やっているウチにその奥深さにハマり、
気付けば私と私の周りの全てを繋げてくれる大切な道具のひとつになっていました。
ディジュリドゥの全てから発せられるエネルギーが人の心身を癒し、
周囲の波動を調整したり、何か未知の力を持っている。そう信じずにはいられません。
これを機に皆様にもディジュリドゥの魅力を少しでも感じていただければ幸いです。
先ずは聴いてみて下さい。
どうですか?PCからだと生音みたいに伝わりにくいかも知れませんが、
一本の筒から実に様々な音が発せられているのが聞こえます。
これは倍音といって、ひとつの音が筒の震動などの影響で、幾重にも別れていく現象です。
大きく分けて高音・中音・低音の三つに別れます。
低音は地鳴りのように骨をつたって全身に響き、
高音は超音波のように身体を優しく撫でるように包み込み、
中音がバランスを取り持つように聴覚を刺激してくれる。
そんな表現が適切かは分かりませんが、実に心地よい音です。
この音は、大地の音、地球の鼓動、子宮の中の音など様々に例えられています。
ディジュリドゥは言ってみれば、木の筒ですが、この筒は実に奥深い。
先ずこの筒の穴は人間が彫ったものではありません。
実はユーカリという樹の芯を白蟻が食べて空いた穴なんです。
それをアボリジニの職人が、根元を残して(また生えてくるように)切り倒します。
でもそれだけでは良い音は鳴りません。
皮を削り音のバランスを聴きながらシェイプしていきます。
どこで手を止めるかで音の良し悪しが大きく変わるそうで、ここは職人の腕の見せ所です。
天然の樹を使っているので、ひとつとして同じ物はありません。
長さも1〜1.5m程と様々です。
自然からの恩恵をそのまま受けるといった感じでしょうか、素晴らしい。
場所により形も様々で、地方の演奏スタイルに合わせ、末広がり型や寸胴型など様々です。
ディジュリドゥには絵が描いてあります。無い物も有りますが、基本的には色ぐらいは塗ってあります。
彼等の絵にはかなり深い意味がありますが、彼等の中で様々な決まり事があるようで・・・
私には解りませんのでここでは触れません。
ディジュリドゥ発祥の地といわれるアーネムランドではクロスハッチング(線描画)が盛んなので、
伝統的にディジュリドゥを使ってきた地方のものは線描画が多く見られます。
中央砂漠地帯ではドットペイント(点描画)が有名ですが、
この地方ではディジュリドゥは使われていませんでしたので、
点描画のディジュリドゥは、伝統的な道具としてではなく、楽器や土産として作られた物が殆どです。