いのうえ コラム
コラム18 新しい「趣味のページ」tt9plus
またしてもしばらく間があいた上に、唐突ではあるけれど、新しいページをつくろうということになった。いや、そう提案したのはイノウエ自身なのだが。諸賢のなかには愛読いただいている方もおられると思うが。TMS誌上で「模型のためのエッセンス」と題して連載をさせていただいている。前のコラムでも書いたマイブーム、「路面汽車」を中心に、これまで撮り貯めた軽便、ナロウの情景をテーマごとにまとめたものだ。ちなみに、車両よりも線路とその周辺の情景を中心にしたり(863号)、いま見ることのできる「路面汽車」(865号、866号、867号に英、日、独を紹介、世界は広いなあ)、さまざまな機関車(864号、 871号予定)など、あれこれ展開している。
その余波なのかもしれない、最近「軽便」ものの熱の入れようが半端ない。なんだ、TT9はどうしたのだ、という声が聞こえそうだが、そもそも1/120サイズを採って、その製品までつくるようになったのはひとつに「いい大きさ」であるという大きな理由がある。
16番を中心に模型をつづけてきたイノウエだが、つくるのはいいが、さて走らせるとなるとあまりにも大きい。テーブルの上ですいすい走らせられるNゲージを横目で見ながら、でも真鍮で機関車つくりたいものなあ、ファイン・スケールはいいよなあ、とつくり出したのがTT9なのである。
C62が手のひらに収まる「いい大きさ」。客車を牽いてR400弱を小気味よいジョイント音とともに走るシーンは、1/120がわれわれ理想のサイズであると再認識させてくれる。
同様に、軽便ものの「いい大きさ」はなんだろう。イノウエは基本的に1/80の9mmゲージが中心だが、なかなか「いい大きさ」で、あまり走らせるスペースのない16番の機関車を本線の置物にして、その脇を走らせる軽便は気持ちがいい。
オオノは、もっと小さな車両はOナロウで製品化したりしている。
OサイズのくせにR400弱の線路をいい感じで走り、これまたヴェニア1枚あればエンドレスが敷ける「いい大きさ」なのだ。
で、もちろんTT9はこれまで通り頑張るとして、ちょっと息抜き、「趣味のページ」をつくろうではないか、と思い立った次第だ。
いや、いろいろ紹介したいこと、ものは山ほど。とりあえず、よろしくよろしく。