いのうえ コラム
第4回 浦島太郎帰還、2年振りのコラム

まったく以って恥ずかしながら、この前のコラムを書いたのはいつかともう思い出せないくらいになって……またしても前回と同じ書き出しではじまった本コラム。少し違うのは、前回を書いたのは2年前のこと、としっかり記憶していることだ。「デアゴスティーニ」の「C62を作る」という週刊の100回コースがようやくこの8月で完結した。1/24スケールの大きなC62のモデルをつくるシリーズ、その冊子を制作するだけでなく、模型の設計、進行もすべて受け持っていたので、その100週分、ほぼ2年間はそれに掛かりに切りなっていた。それから開放され、ふたたび趣味世界に舞い戻って、そしていきなり、年に一度の大イヴェントに突入したというわけである。

つい先頃、その年に一度の大イヴェントこと10周年の「JAM」こと国際鉄道模型コンヴェンションが、多くの来場客を迎え無事終了した。わが「TT9」のブースにも熱心な来客があり、いまさらに鉄道模型の奥深さ、楽しさを感じ入っている。そういえば、10年前、第1回の「JAM」では、まだプロジェクトのスタート間なし。試作した下周りとポスターとしか展示できなかったのを思い出す。そう、われわれtt−9プロジェクトのスタートもちょうど10年前のことなのだ。
振り返ってみて、10年間でこれだけか、という思いと、10年経ってここまでようやく来られたかという思いとが交錯する。まったくのシロート趣味人であったイノウエが10年間で解ったことといえば、模型製品づくりのなんと手間の掛かることか、ということ。みなさんの希望しておられることはいやというほど解っている、イノウエ自身ももっといろいろな車輌が欲しいし、キット組み立てを楽しみたい。そう思えば思うほど、気持ちばかりの空回りになってしまう。

この件は「つづく」として、2年振りに娑婆に戻ってくると(本当にそんな浦島太郎感覚なのです)、いろいろいままで見えなかったものが見えてきた。そんなことを含め、このHPを充実させることを、まず身近な目標にしたいと思う。
頻繁に更新することを約束して、本当に次回に「つづく」。